小窯

呼福窯では、2連の登り窯を小窯と呼んでいます。
その小窯では、主に素焼きをして、釉薬をつけた物を焼きます。



咲多子の窯焼き

この写真では灯油を併用していませんが、最近では小窯で焼くときは、よく、
灯油を併用して焼きます。それでも、2泊3日かかります。          
温度は、パイロメーターとゼーゲルコーンを使ってはかります。         





小窯窯焼き



妻 咲多子先生です。
根性あります。
私(丹花 義晴)は、温度を上げるのが下手ですが、
その点妻は実に、「頼れる人」です。


薪を、一度に沢山くべれば、温度が上がりそうですが、高温になると、そうではありません。
くべすぎると、窯の中が燃えていない煙だらけになって(極端な還元状態)、逆に、温度が下がってしまいます。また、薪の量が少なすぎると酸化炎状態になりますが、熱量不足で、温度は次第に失速します。
温度が上がるのは、中性炎状態のときです。が、中性炎だけで焼くと、作品がぼんやりしてしまいます。
したがって、薪の量、空気の調整、投げ入れ方をくふうし、焼きたいものに合わせて、この還元状態、中性炎状態、酸化炎状態をうまく作り出してやることになります。





狸も窯焼き応援


 窯焚きを見に、狸さん達がやって来ました。











                                                

小窯の前で、釉薬をかけています。よく使う釉薬は透明釉です。
大抵は、穴窯で出来た灰を使って作ります。           
灰を釉薬に使うには、一年以上灰汁を抜いて使います。

(灰汁抜きは、混じり物を取り除いた灰を、バケツに入れ、
水を入れ、次の日に上澄み液を捨てます。水を入れ、
水を捨てる事を約一年間繰り返します。)        

多分、度の作家もそうだと思いますが、一口に透明釉と言っても
何らかの工夫をしています。



小窯の窯入れです。このごろは、早くて三日かかります。
作品同士がくっつかないように気を付けます。
また、釉薬が作品から棚板に流れてもよいように(よくないんですけど)
ひとつの作品ごとに”め”を付けながら入れていきます。

このあと、入り口の所に耐火煉瓦を積みます。
その時に、薪を入れる約く25センチ四方の穴を残します。
そこに、上からつるした蓋が丁度になるようにします。

それから、薪を運んで、まわりに積み上げます。

それから窯焼きとなります。